絨毯
呉服、帯などは和の織物。
絨毯は西洋の織物。
両方ともに歴史文化があります。
その文化を継承するため松村呉服店では絨毯もお取扱いしております。
ギャッベ
ギャッベを織る毛糸は、カシュガイ族が遊牧している羊の毛(ウール)です。
高地で育った羊は毛が長く、羊毛は油分を豊富に含んでいるため汚れにくく、撥水性に優れています。
その羊の毛を手作業で毛糸に紡いでいくので、糸は太いところ、細いところなど違いができます。その太さの違いがギャッベの素朴な味を引き出します。
ギャッベはウール100%なので夏にはモコモコ暑そうというイメージがありますが、毛は意外にさらりとして快適に使えます。
なぜかというと、羊毛自体が呼吸しているからです。
動物の毛にもあるキューティクルは、開いたり閉じたりして毛の中の水分を一定に保とうとするのです。
暑い夏にはさらりと快適、乾燥した冬には、ふんわりと暖かな肌触り。
快適に暮らすための生活道具として代々受け継がれてきたギャッベは暮らしの知恵から生まれたものなのです。
ペルシャ絨毯5大産地
イスファン
イラン中部ザーグロス山脈の東に開けた古都イスファハンは、サファヴィー朝ペルシャの頃、世界の半分と形容されるほど殷賑(人の往来が激しく、商売などが活気のある様子)を極めた芸術の町です。
今も町には、当時の美しいモスクや宮殿が建ち並び、その栄華の跡を偲ばせています。
絨毯づくりの伝統もその当時より引き継がれ、今もイラン第一の産地として、格調高い絨毯づくりが行われています。
タブリーズ
北西ペルシャにあるタブリーズは、ヨーロッパとアジアを結ぶ東西交流の幹線上にあり、古くから交易上の要衝の地でした。
19世紀、絨毯産業の復興にタブリーズ商人の果たした役割は大きなものがあります。
その西欧を意識した絨毯づくりは、デザインの上にも顕著にあらわれ、ペルシャ全域はもちろん世界中の意匠を動員してその演出が図られます。
ナイン
イスファハンの東、小さなオアシスの町ナインは、かつて上質のウールの産地として有名でした。
この産業の衰退にとって替わり、イスファハンから絨毯づくりの技術がもたらされたのは、1920年代のことです。
そして、わずかの間にイランでも第一級の産地にのし上がりました。用いられる色調は控えめで日本人の好みにも合う落ち着いたトーンの絨毯がつくられています。
カシャーン
テヘランとイスファハンのほぼ中間に位置するカシャーンは、古くから工芸の町として知られ、サファヴィー朝当時、数々の絨毯の名品を生み出した町でもあります。
その技術の高さは、カシャーンからやって来た人という表現がイランでは最高の賛辞とされてきたことからも、十分窺い知ることができます。
伝統的なメダリオンを配した正統派のデザインで、奇をてらわず、流行にもおもねることのない絨毯が数多くつくられています。
コム
テヘランの南、カシャーンへ途上にあるイラン第二の聖地コムは、絹絨毯の産地として有名です。
コムで絨毯づくりが始まったのは1930年代と比較的新しく、いわゆる伝統柄というものがないため、ペルシャはもとよりコーカサスなど様々な産地のデザインを用い、発展させています。
斬新なデザインの華やかな絨毯がつくられています。
①ペルシャ・コムシルク
②ペルシャ・コムシルク
③ペルシャ・コムシルク
④ペルシャ・コムシルク
⑤ペルシャ・タブリーズ
⑥アフガニスタン
⑦パキスタン・ラホール
⑧パキスタン・ラホール